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休山新道

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広島県にある呉市はご存知でしょうか?

 

瀬戸内海に面しており、背後には山々が連なっている都市であり、海軍の街として有名です。

 

地図を見ると、限られた平野部分に街が集積しており、山手にまで住宅街がのびる坂の街でもあります。

 

ここで、この地図を見てみると…

 

 

 

上の部分に、クネクネと曲がった道があります。

 

山手にある住宅街の中を縫うように道路があるので峠道のようです。

 

一方、その峠道が始まる根元あたりに、真っ直ぐと一直線に道が通ってます。

 

これは、峠道を回避するために作られたバイパス道路だということが考えられます。

 

このバイパス道路が休山新道という道路になります。

 

なぜバイパスが作られるようになったか、気になります。

 

僕はこういう地図を見るたびにワクワクして色々想像してしまいます笑

 

なぜここにバイパス道路がいるのか?

 

峠道だけではダメなのか?

 

この周辺の地形などはどうなっているのか?

 

などなど考えていき、地図から色々調べ出していきます。

 

今回は、この休山新道についてかんがえてみたいと思います!

 

山新道とは?

 

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山新道とは、広島県呉市にある国道185号のバイパス路線になります。

 

この道路は呉市本通り〜呉市阿賀中央までを結んでいます。

 

もともと国道185号は、山側を走る路線で『呉越峠』(くれごえとうげ)という峠道でした。

 

地図から見ると、休山新道は、トンネルで一直線に最短距離で隣町まで繋がっています。

 

この休山新道という路線、なぜ作られるようになったのでしょうか?

 

昔の交通状況から考えてみる

 

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山新道ができるまではどのような交通状況だったのでしょうか?

 

国道185号線の呉越峠は、戦前戦後に呉市電という路面電車が走っていました。

 

昔の呉市は、呉鎮守府を抱えており、工員や軍隊を多数駐在しており、戦艦大和を造船するなど活気に溢れ、人口は現在の倍である40万人いました。

 

また、隣町の阿賀・広という土地にも広工廠があり、往来が盛んでした。

 

しかし、呉市は山に遮られる街であり、隣町に行くにも山を越える必要があったため、呉越峠という峠道がありました。

 

そこで路面電車を使って人を運んでいたのです。

 

時代と共に車社会に変化していき、路面電車はなくなってしまいましたが、路面電車の軌道を道路にすることで、現在の呉越峠は4車線の広い道路となっています。

 

しかし、峠道なので道路がウネウネとカーブとアップダウンが激しく、運転は見通しが悪かったりと交通事情が良くありません。

 

そこでこの峠道の代わり、バイパス道路である休山新道が作られるようになりました。

 

呉と阿賀、広の間には休山という山があるので、休山新道と呼びます。

 

山新道が暫定供用されてから

 

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山新道ができてからは、呉と阿賀・広間のアクセスが良くなりました。

 

トンネル内には歩道も整備されて、道路との間にガラス板の仕切りがつけられており、排ガスや事故面からも安全に行き来ができます。

 

救急車や、警察車両なども、速やかに移動できるようになり、様々な面で整備効果が発揮されました。

 

しかし、今まで呉越峠を走っていた車が一気に流れた為、暫定供用後は双方向のトンネル出口先で渋滞が多発しています。

 

渋滞が多発していることを受け、もう片方のトンネル側の工事が始まりました。

そして2019年3/15に、二本目のトンネルが完成され、完全4車線化の運びとなりました。

 

山新道と呉越峠

 

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以上のように、休山新道と呉越峠の関係を調べてみました。

 

地図では一見普通の道路でも、ここから読み込んでいくことで様々の事情や状況がわかってきます。

 

地図を良く見ることは、何気ない場所にも理由があって、その場所を良く知ることができるチャンスにもなります。

 

自分の住んでいる場所や地元だと、当たり前にみんな知っているようなことでも、他所の人からすると全く分からない事が多かったりします。

 

知らない場所を、地元の人並みに知る事で、旅行するときや何かで訪れた際に違う見方ができます。

 

地図から気になることをみつけて、調べて知恵にするということ、中々人生勉強になるんじゃないでしょうか?

 

 

 

画像出典:広島国道事務所

    :ひろた

    :呉観光協会